エクセルの操作に慣れてくると、仕事の効率化を求めるために操作量をいかに減らせるかがポイントになってきます。
そこで紹介するとっておきの機能が【クイックアクセスツールバー】です。
クイックアクセスツールバーを利用すると、今まで3つ、4つの操作が必要だった機能を、ワンクリックでアクセスができてとても時短になります。
本記事では便利な機能【クイックアクセスツールバー】について解説していきたいと思います。
※本記事は『OS:Windows10』『Excelのバージョン:2016』を使用しています。
目次
クイックアクセスツールバーとは?表示・非表示方法
クイックアクセスツールバーとは、エクセルの数ある機能から頻繁に使う機能を登録して、いつでもワンクリックで利用することができる機能です。
例えば、よく使う機能の例として【印刷プレビュー】があります。
通常は印刷プレビューを開く場合、次の順序でボタンをクリックします。
- ファイルタブを選択する
- 印刷を選択する
2クリックで印刷プレビューが表示されます。
クイックアクセスツールバーに印刷プレビューを登録しておくと1クリックになるので時短です。
さらに印刷まで行おうと思うとこれに+1クリックで下記のように3クリックとなります。
- ファイルタブを選択する
- 印刷ボタンを選択する
- 印刷を実行する
この場合もクイックアクセスツールバーに【クイック印刷】を登録すると1クリックで印刷が可能となりますね。
たかが1クリック、たかが2クリックと思うかもしれないけれど何度もやっていると、この数クリックがとても無駄に感じてくるよ!
Dr.オフィス
クイックアクセスツールバーを利用することによって仕事効率が断然上がるので、ぜひ活用しましょう。
このクイックアクセスツールバーに類似した機能としては、ショートカットキー機能があります。
エクセルの各機能にはショートカットキーが割り振られていて、キーボードの決められたキーを押すことによって、割り振られた機能を起動するというものです。
よく使うショートカットキーの例がこちら
このようにキーボードのコントロールキーと各キーを押すと可能です。
ショートカットキー機能はキーボードに割り振られた機能を覚えないといけないので少し難易度は高いです。
それに比べてクイックアクセスツールバーは視覚的に機能を選べるのでエクセルにまだあまり慣れていない方も簡単に利用することができます。
クイックアクセスツールバーの場所はどこ?
クイックアクセスツールバーの場所はブックを開いた基本画面内の左上、リボンタブの上にあります。
「自分のエクセルにはクイックアクセスツールバーがない!」と言われる方がいますがクイックアクセスツールバーは非表示にすることはできないので、ないということはありません。
しかし、表示位置を変更することはできます。
クイックアクセスツールバーが見当たらないときは自分で気づかないうちに表示位置を変更してしまっている可能性があります。
表示位置は2つあって元の位置と、リボンの左下の位置に設定できます。
表示位置の変更方法は、クイックアクセスツールバーの右端にある▼ボタンをクリックし、一番下部にある【リボンの下に表示】をクリックすると変更されます。
戻すときは【リボンの上に表示】をクリックして元に戻しましょう。
クイックアクセスツールバーの位置をリボンの下に設定すると、ワークスペースから近くなるのでさらに素早く作業ができるね。
Dr.オフィス
クイックアクセスツールバーの使い方
実際にクイックアクセスツールバーの使い方を解説します。
クイックアクセスツールバーには初期設定で【上書き保存】【元に戻す】【やり直し】機能が追加されています。
使い方はとっても簡単です。
こちらのボタンをクリックするだけ。
例えば上書き保存をクリックするとタイトルのところが【保存しました】となり1クリックで上書き保存されます。
しかし、このままだとクイックアクセスツールバー内には【上書き保存】【元に戻す】【やり直し】しかないのであまり実用性がありませんね。
そこで、クイックアクセスツールバーをカスタマイズし自分の好みの機能を追加することによってとても便利な機能になります。
次項ではカスタマイズ方法を解説していきます。
【上書き保存】【元に戻す】【やり直し】はエクセルに慣れてくるとキーボードのショートカットキーで使用することが多いよ。ショートカットキーも覚えていってみよう!
Dr.オフィス
クイックアクセスツールバーを自分仕様にカスタマイズしてみよう
クイックアクセスツールバーのユーザー設定を行って自分仕様にカスタマイズしていきます。
クイックアクセスツールバーにいれる機能はどういったものが良いかというと、よく使う機能でショートカットキーがない、もしくは使いにくいものが良いです。
今回は普段、よく使う機能【罫線】のなかの【格子】をクイックアクセスツールバーに追加したいと思います。
罫線を通常で使用する場合は【ホームタブ】→【罫線メニュー】→【各罫線を選択】といったように3クリックが必要です。
クイックアクセスツールバーに使用したい罫線、例えば格子などを追加すると1クリックで使うことができます。
罫線の格子をクイックアクセスツールバーに追加する
まずはクイックアクセスツールバーの右端にあるユーザー設定ボタンをクリックします。
するとダイアログボックスが表示されます。
次に【その他のコマンド】クリックします。
するとExcelのオプションダイアログボックスが表示され、すでにクイックアクセスツールバータブが選択されて、【クイックアクセスツールバーをカスタマイズします】と表示されています。
左側のボックスが追加できる機能の一覧で、右側のボックスが現在、クイックアクセスツールバーに追加されている機能の一覧です。
続いてコマンドの選択というプルダウンメニューから【ホームタブ】を選択します。
そして、ボックス内を下にスクロールして【格子】選択して【追加】をクリックします。
すると、右側のボックスに【格子】が追加されました。
最後にOKをクリックしましょう。
これでクイックアクセスツールバーに【格子】ボタンが追加されました。
追加された【格子】ボタンを使用して実際に罫線を入れてみましょう。
罫線をひきたいセル範囲を選択して、クイックアクセスツールバーの格子ボタンをクリックします。
すると無事に1クリックで罫線が追加されました。
とても簡単で素早くできましたね。
このように、どんどんクイックアクセスツールバーに機能を追加して自分の使いやすい仕様へとカスタマイズしていきましょう。
例えば『チェックボックス』を良く使うなら、チェックボックスをクイックアクセスツールバーに置いておくと便利だよ!『エクセルでチェックボックスを作成する方法』でも設定方法を解説しているから参考にしてみてね!
Dr.オフィス
クイックアクセスツールバーへの追加は、各機能を使用しているときにも追加することが可能です。
例えば【格子】機能でしたら、ファイルタブの罫線ダイアログボックスを表示して格子にマウスポインターをもっていき、右クリックをしてください。
そして、でてきたボックス内の【クイックアクセスツールバーに追加】をクリックすると追加されます。
クイックアクセスツールバーからボタンを削除する方法
「登録したけど意外と使わないなー」という機能も出てくると思います。
そんな時は、クイックアクセスツールバーから機能を削除して、入れ替えましょう。
先ほど追加した【格子】を削除していきます。
↑先ほど登録したときと同じようにExcelのオプションダイアログボックスを表示しましょう。
クイックアクセスツールバーの右端にあるユーザー設定ボタンをクリックし、ダイアログボックスを表示して、【その他のコマンド】クリックします。
↑右側のクイックアクセスツールバーのユーザー設定と書かれたプルダウンメニューから、【すべてのドキュメントに適用(規定)】を選択して、ボックス内の【格子】を選択し削除をクリックしましょう。
最後に【OK】をクリックしたら完了です。
↑クイックアクセスツールバーから【格子】が削除されたのがわかります。
機能の削除も登録したときと同じように右クリックで簡単に削除することができます。
クイックアクセスツールバー内の機能にマウスポインターをもっていき、右クリックをするとボックスが開きます。
その中の【クイックアクセスツールバーから削除】をクリックすると機能を削除できます。
特定のブックごとにクイックアクセスツールバーへ機能を追加する方法
クイックアクセスツールバーはエクセルのブックごとに機能を追加することができます。
例えば【例題1】と【例題2】という2つのブックがあるとします。
【例題1】にはクイックアクセスツールバーにグラフの作成機能を追加して【例題2】にはクイック印刷機能を追加したりといったことができます。
その方法をみていきましょう。
↑まず、全てのブックに対して追加する機能を選びます。
クイックアクセスツールバーのユーザー設定ボタンを開いてExcelのオプションダイアログボックスを表示してください。
【全てのドキュメントに適用】を選択して【格子】と【ウィンドウ枠の固定】を選びます。
これで新規ブックを開くたびにクイックアクセスツールバーには【格子】と【ウィンドウ枠の固定】が入った状態になりました。
つづいて、特定のブックごとに追加したい機能を選んでいきます。
↑まず【例題1】のブックを開きます。
クイックアクセスツールバーのユーザー設定ボタンを開いてExcelのオプションダイアログボックスを表示してください。
↑左側のボックスから【グラフの作成】を探し出します。
そして右側のクイックアクセスツールバーのユーザー設定と書かれたプルダウンメニューから、【例題1.xlsxに適用】を選択して追加をクリックします。
すると右側のボックスに【グラフの作成】が追加されました。
最後に【OK】をクリックすると完了です。
続いて同じ要領で【例題2】にクイック印刷機能を追加しましょう。
これで設定は全て完了です。
↑【例題1】を開くとクイックアクセスツールバーに【格子】と【ウィンドウ枠の固定】と【グラフの作成】が表示されています。
【例題2】を開くとクイックアクセスツールバーには【格子】と【ウィンドウ枠の固定】と【クイック印刷】が表示されています。
このようにブックごとに特定の機能をクイックアクセスツールバーに追加することができます。
ルーティンワークなどを必要とするブックには、それに必要な機能を入れたりといった使い方ができるよ。自分の使いやすいようにどんどんカスタマイズしていこう!
Dr.オフィス
まとめ
エクセルを使用していると必ず出てくるのがルーティンワークです。
ルーティンワークをしていく上では、しっかりと効率化していくことが重要になっていきます。
いかに早く、作業量を少なくしていくことですね。
そのためには今回、解説したクイックアクセスツールバーのようなショートカット機能を利用して仕事を効率化していきましょう。